姉のカレシの、闇に溺れて



 今日は部活の朝練がないのか、

「月野、準備できた?」

 南瀬くんが迎えに来てくれた。


「顔色あんまり良くなさそうだけど、大丈夫?」


 さりげなく私の鞄まで持とうとする南瀬くんに、『大丈夫、自分で持つから』と断った。


 昨日の勉強会は友梨ちゃんだけ誘ったハズなのに、友梨ちゃんが南瀬くんにまで声を掛けて一緒に行く事になってしまった。


 南瀬くんが悠一さんに余計な事を言う前に、勉強会がなくなって良かったかもしれない。



 ――――色々な事がありすぎたせいか。


 南瀬くんに対しての態度もそうだけど、完全に悠一さんが悪いワケじゃないと分かったからか、今は悠一さんの保身の為に動いてしまっている。