姉のカレシの、闇に溺れて



 『紗和、南瀬くんに"学校休む"って連絡しときなよ。家まで来られたら迷惑でしょ』と、私のオデコを撫でて出ていった。


 迷惑なんかじゃない。
 そんな事は思ってない。


 逆に私が迷惑をかけてしまっているんだ。
 学校も休んでる場合じゃない。せっかく昨日付き合ってくれたのに、結局無駄にしてしまった。


 …………謝らないと。


 悠一さんが私の部屋を出て30分が経過した。お姉ちゃんの部屋を覗いてみるとまだ、お姉ちゃんは眠っていた。


 静かにドアを閉め、学校に行く準備をする。