姉のカレシの、闇に溺れて



『じゃあ紗和達の両親が帰って来る前に、俺は出るね』と、キスはされたものの、自然な流れでベッドから出る悠一さん。


「それと、スマホ借りるね」


 悠一さんは鞄の中に入れておいたスマホを手に取り、何やら操作している。

 『俺の番号とアドレス。入れておいたから、今度は拒否しないでね』と私のスマホに悠一さんの番号とアドレスが加わってしまった。


「紗和に嫌われるような事したくないんだから。もう、勝手な真似したらダメだよ」


「…………私、今からでも悠一さんとフツウの関係になりたいです……フツウにお姉ちゃんのカレシとして接したいんです」


「………………」


「今からでも元には戻れます」


「そうだね。でも俺は最初っから紗和と付き合いたくて、沙羅ちゃんを利用してるだけだから。元に戻るとかないよ」