ゆっくりドアを開けると、ベッドの周りに脱ぎ散らかした服が散らばっており、裸のままスヤスヤと寝ているお姉ちゃんが目に入ってきた。


「……………あ、ごめん!!」

 咄嗟にドアを閉め、さっきまで何が起きてたのかを把握した。
 悠一さんはお姉ちゃんを抱いたんだ……

 ”紗和以外抱きたくない”って言ってたのに。
 平気でお姉ちゃんを抱けるんじゃん……

 ……………平気で。
 あの顔色の悪さからして本当に平気だったんだろうか。

 悠一さんがお姉ちゃんの部屋に戻ってくるのをひたすら待つ。
 戻ってきたのは悠一さんがトイレに入って20分後の事だった。


「悠一さん、顔色大丈夫ですか?」

「…………大丈夫そうに見える? それより紗和、覚えてる? 沙羅ちゃんを抱いたら紗和を抱くって言った事」

「――ッ!! ここ、お姉ちゃんの部屋の前なんで!!」