「ユウくん、もしかして」

「ん、ちょっと体が熱い」


 …………やばい、体熱いの止まらない。
 ヤケクソで14個も食うんじゃなかった。


 熱さで服を脱ぐ俺に血迷った沙羅は、『ユウくん色っぽさ凄いよ』と、俺の頬にキスしてきた。


 それでもやっぱり体を重ねたいとは思えないけれど、今ならこのチョコの効果でムリヤリできる。

 ―――ムリヤリ気持ちを誤魔化せる。


 沙羅をベッドの上に押し倒し、ヤケクソでキスをする。


 沙羅を少しでも紗和に重ねながら、俺は勢い任せに沙羅を抱いた。


 チョコを食べたから紗和以外でも、もしかしたらイケるかもしれないと期待してみたけど全然ダメで。


 沙羅が『もう無理』と、息を切らすまで抱いてみたけれど、そもそも沙羅は紗和じゃない。


 気持ちよくなれるはずなかったんだ。