静まり返る部屋の中、ボロボロと泣いていた割には俺から離れようとしない沙羅。
ベッドに座っている俺の横に、ピッタリと身を寄せる。
「ユウくん。そのチョコの効き目は、しばらくしてから出てくるみたい」
「……………みたいだね。裏面に書いてあった」
「大丈夫、アレだけ食べたんだもん。今日は絶対大丈夫だよ!」
「そうだね」
俺を労ってるのか、自分の欲を押し付けているのか。沙羅といると、本当イライラする。
それでも時間が経つにつれて、ドクドクと鼓動が早くなる。体もさっきより全然熱い。
半信半疑で食べたけれど、あのチョコの効果は本物らしい。
「沙羅ちゃん、少し……離れてくれる?」



