「ユウくん、キスして?」

 甘ったるい声が耳に響く。

 とりあえず開けっぱなしのドアを閉めて、ベッドへと移動する。

 ベッドへ座る俺を見た沙羅は、机に置いてあるチョコを俺に差し出してきた。
 ハート型の怪しいパッケージ。

 見てみると、『チョコラブデラックス』と書かれてある。
 何なんだコレは……


「ユウくん、よかったら食べてくれる?」

 食べてくれと言われても。

「……何、コレ」

「ユウくん前、そういう事する気になれないって言ってたから。こっそりネットで買ってみたの」

「へぇ」

 箱を開け、一つ手に取り食べてみる。
 味はまあまあ美味い。でもちょっと大人の味がする。

 箱の裏には『一日に2粒程度を目安にお食べください』と書かれてある。
 2粒で何かなるワケないだろ。

 箱には全部で14粒分入っている。
 つまり7日分。それを一気に開け、無理やり口に押し込んだ。

「えっ!? ユウくん!? それ一気に食べて良いの?」