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俺の教え方が伝わったのか、『なるほど! 分かりやすい!』と、機嫌を良くしてくれた。暗記の仕方も覚えやすい俺なりの仕方を教え、よほど分かりやすかったのか、ニコニコと微笑んでくれている。
勉強の仕方が悪かっただけで、実際、紗和自身も頭が悪いワケではない。
…………まあ、得意の世界史だからってのもあるかもしれないけど。
ケーキを食べながら一段落していると、『紗和ー、ユウくんー、頑張ってる??』と沙羅の声が聞こえてきた。
「うん! 今良い所なの! お姉ちゃん、もう少し風呂入っててイイよ!」
勉強にハリきる紗和は、楽しそうに沙羅をあしらう。
…………これは。
アレコレ考えなくても、紗和の部屋に行けそうな気がする。



