抱き着いていた沙羅は、俺を上目遣いで見るなり、
「でも、ユウくんは自身の勉強は大丈夫なの? ユウくんが取ってる講義のレポート、締め切りがヤバイって言ってたのに……」
俺の宿題が大丈夫なのかを心配そうに聞いてきた。
俺は一つ、めちゃくちゃレポートの提出が多い講義を取っている。でも、それは問題なく提出できているし、友人のツテのバイトをしつつ空いた時間にできているから全然問題ない。
『締め切りがヤバイ』って言ったのは、沙羅に極力会いたくないからだし。連絡もマメに取りたくない。
もちろんそんな事は本人に言えるワケもないし、だからせめてもの理由付けで誤魔化した。もちろん、今日も「うん、大丈夫。今週の分はもう終わったから」と、ソレっぽい事を言って誤魔化す。



