姉のカレシの、闇に溺れて




 テストがヤバイなら真剣に教えてあげようと思っていたのに。


 紗和は自分の立場分かってんのか?


 しばらくして、沙羅からLINE通話がきた。


『もしもしユウくん、今日家来てくれるの?』


 嬉しそうな沙羅の声を聞いて、いつものように自分を作る。


「うん。親がいなかったら行こうかなって思ったんだけど。いきなり迷惑かな?」

『さっき"親戚の家に行くから今日は帰れない"ってお母さん達から連絡きたトコなの!嬉しい…!!』

「そっか、良かった。ね、沙羅ちゃん。家に行ったら久しぶりに抱いて良い?今ね、物凄く抱きたいんだ」

『え!!う、うん!!嬉しい……体キレイにしとくね!』

「うん。じゃあ」


 ――――今ね、物凄く抱きたいんだ。


 "紗和"を…………