姉のカレシの、闇に溺れて





「点数が知られるのはちょっと……」


「じゃあどうするの? 今日はやめとく??」


 俺の問いかけに紗和は素早く頷いた。
 友梨ちゃんは『えー!?』と、残念そうな声を出しているが、南瀬くんはどことなくホッとしている。


 勉強会が中止になって嬉しがっている。


 南瀬くんに心を開かせる気でいたけど、やっぱりコイツは俺の敵だ。


「じゃあ今日は解散だね。また後日ね」


 俺の"解散"の言葉に、紗和の顔は一気に明るくなった。


 今解散したって、俺から逃げれるワケじゃないだろ。せっかくの二人きりの勉強に南瀬くんと友梨ちゃんまで呼びやがって。


 ……………本当に。
 勝手な事しやがって。



 紗和と南瀬くん達が帰ったのを良い事に、沙羅に連絡を入れる。


『今から家に行っても良いかな?親いる??』



 怒りが頂点に達している今、次の行動に出る。


 ……本当にどういうつもりなんだか。このまま逃すワケないだろ。