ゆっくり優しく、何度も何度も悠一さんの唇が私の唇に触れる。その気持ちよさに抵抗しなきゃという思いが薄れていく。


　大切な物に触れるみたいに優しく、かと思うと、唇を吸われ、噛まれ、少し痛かったりして、どんどん私の脳を支配していく。


　戻れなくなる………
　何もかも、壊れていく………


　お姉ちゃん………ごめん………ごめんなさい。今は良くてもいずれバレる。


　…………私はお姉ちゃんじゃない。今はバレなくてもお姉ちゃんを抱いたときにバレる。絶対バレる。


　何度も心の中で謝りながら、突き放せないでいると、悠一さんの唇がゆっくり離れた。


「ねえ、俺……こんなキス知らない」