姉のカレシの、闇に溺れて






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 沙羅に今家にいるのか確認のLINEを送る。すぐに返信がきた。


"私は今家にいるよ!今ウチの親いないけどユウくん来る!?"


 "付き合ってる事は他の人には内緒にしよう"と決めていた為か、ご丁寧に両親がいるかいないかも教えてくれた。


 ………両親がいないなら。
 紗和とももう少し一緒にいたいし、


「おしおきもシたいしな……」


 ボソッと吐いた言葉で、横にいる紗和がビクッと体を強張らせた。



 ああ、本当に紗和は可愛いな。
 俺の言う一言一言に反応してくれる。絶望的な顔をして俺を煽ってくる。


 紗和がすぐに俺を受け入れてくれるなら、今この場で影に隠れて襲えたのに。



 ―――――なんて考えても一緒か。


 紗和が俺から離れないよう、しっかりと手を繋いで歩く。



「あの、悠一さん。どこに………」


「紗和の家。送ってくから心配しないで」