そんな…………
 そんな事言えるワケない。


 自意識過剰なヤツって思われる。



 グッとスカートを掴み、何も言えない私に悠一さんはまた腕を掴んだ。


「友梨ちゃんはもうどうでもイイけど。俺は南瀬くんが気になるよ。どうなってんの??」


「…………どうって。南瀬くん、私と悠一さんの事多分何か気づいてる」


「ふーん、で、紗和は南瀬くんが好きなの?」


「…………南瀬くんに私と悠一さんがホテル行ったの見られてたよ」


「…………へぇ。で?」


「南瀬くん、私とホテルに入る事があれば入ってもイイって言ってくれてる」


「…………で?」


「………………でも、私が南瀬くんのような素敵な人の恋人になっちゃいけないって思ってる…………」



 だって、汚れた。私は汚れた。


 ―――――悠一さんに汚された………








「南瀬くんのどこが素敵なの??俺も…………こんなんじゃなきゃ、ちゃんと紗和以外の女性でも感じる事ができたら、紗和の目にも"素敵な人"で映ったはずだろ……」