姉のカレシの、闇に溺れて




 隙を見て悠一さんがオジサンに話しかける。


「オジサン、友梨ちゃんに惚れてるでしょ?どういった関係ですか??」


 "パパ活"と分かった上で聞いている。オジサンが何を言い訳したって通用しない。けれど、悠一さんはオジサンの返答をひたすら待った。


「…………友梨ちゃんは娘みたいなものだよ。娘をご飯に連れていく感覚なんだ」


「こんな高級な場に??思い上がっちゃうんでヤメたがイイですよ」


「僕が何しようとキミに関係ないだろう??」


「まあ、関係ないですけど。何かあってからじゃ遅いんで一応忠告だけ。俺の知り合いも若い子に甲斐甲斐しく尽くしてる方がいましたが、最後には借金まみれで自己破産してました。だから他人事とは思えなくて」


 『今、パパ活流行ってるんで、オジサン標的にされてるかもって思ったらムカつくんですよね』と、語りながら黙々と運ばれてきたメニューを口にした。