「………コレがどんなに虚しい事か、沙羅ちゃんわかってないでしょ??」



 分からないよ。
 そもそも分かりたくない。


 きっと、お姉ちゃんだってそう思うに決まってる。


 でも友達の友梨(ゆり)ちゃんも、彼氏とした後『全然イけない』とか『いつもイッたフリしてる』とか言ってたから、分かりたくないのになんとなく分かってしまった。


 本当の意味で気持ちよくなる事が難しいという事も、雑誌やネットの記事を読んで知っている。



「だけど、私………」


「………黙って」


 大好きだった声が一変、低く、脳を刺激する。


「好きだよ」


 甘い言葉と同時に、悠一さんのやわらかい唇が私の唇に優しく触れる。


 …………抵抗………しなきゃ。