私の『秘密ごと』を聞くことはスッカリ忘れている友梨ちゃんは、”ここで会うからねー”と、スマホで私に集合場所の地図を見せてきた。
……………離れの公園だ。
「でも制服で会うってマズくないかな??」
「大丈夫! コート羽織ってるし、手繋いだりするワケじゃないから目立たないよ!」
”ほら、早く行こう!”と、全く危機感がない友梨ちゃんに手を引かれ校舎を出る。
バスで移動する事30分。
待ち合わせの公園に着き、”あの人だよ!”と、中年男性を指さした。
眼鏡を掛けていて、気弱そうで、帽子を深く被っている。仕事帰りで直接来たのかスーツの上から黒いジャケットを羽織っていた。
友梨ちゃんはその人に向かって走り迷わず、話し掛けている。そして私のことを説明しているのか、チラチラ私の方へ振り返り、指さしていた。



