『相性良い』


 イヤなのに。イヤじゃなきゃダメなのに、肌と肌が吸い付くような感触が凄く心地良いと思ってしまう。


「私、わかんない」


「うん、でも、俺はわかるよ。俺さ、今までイヤっつーほど女とっかえひっかえで抱いてきたからさ。だけどどの女抱いても全然しっくりこなくて」


 私に『声抑えて』と言っていたのに、悠一さんの口は止まらない。


「沙羅ちゃんにだから言うけど……俺ね、セックスでイケたコトない」


「…………え」


「だから終わった後、いつも自慰で済ませてた」


「そ、そう……なの……」



 …………自慰って、自分で自分の欲求を満たす事だよね。そんな事を言われても………



 それに私、お姉ちゃんじゃないのに。