姉のカレシの、闇に溺れて




 断るも、『いや、送る』と聞かない悠一さんに家まで送られ、


『じゃあ、沙羅ちゃん呼んできてくれるかな??』


 私にお姉ちゃんを呼んでくるように促した。


 家の中に入ると両親は仕事で出て行ってしまったらしく、家にはいなかった。


 まだ寝てるであろう姉の部屋のドアをトントンとノックするも返事がない。ドアを開け、部屋の中を覗いて見るとやっぱりまだ眠っていた。



 …………お姉ちゃん。



 妹とカレシがホテルにいると知ってるのに、疑わずにぐーすか眠れるお姉ちゃんにもイライラしてしまう。


 少しは疑ってよ……



「お姉ちゃん起きて! 悠一さん来てる」


 姉の体をユサユサと揺らしながら起こした。



「ん、へ? ユウくん……?」


「うん。玄関先で待ってる」