屋上って出てもよかったんだ、てか出れたんだ。
1年この学校いるのに全然分かってないなぁ。
「で、どうしたんだよ?」
タメ口で言ってきた誠人の目は話せと言っている。
そのことは私がではなく、ユカが淡々と話していく。
「今日は黒板に沙夜を罵る言葉が書かれてた」
「んだと……誰がやった」
言おうか、言わないか…。
「クラスの女子よ。そうじゃなくても書きそうな奴は沢山いる」
「分かった。何とかする」
言うしかない、と決めた私は「あのさ」と小さく声を出した。
「何?」と言ったユカに少し棘があったことは無視するとして「花貰った」と言うと2人は首を傾げた。
『菊の花、ロッカーの上にあったでしょ?』
「菊?…あ、あの花瓶に入ってたやつ?」
コクンと頷くとユカはキレて、誠人は眉間に皺を作った。
「あの女共!!沙夜を亡き者にしやがって!!」
『いや、私怒ってないよ』
「はぁ?」
「何言ってんだよ」
怒ってないことを言うと2人はと意味不明な表情をした。
なんと、百面相。
かと思うと眉間に皺を寄せたまま、何故か私に怒りの矛先が向けられた。
「アンタいっつもそうだよね?!亡き者にされてんだよ?普通怒ったり辛くなったりするでしょ!なんでそこで嬉しいみたいな顔すんの!」
『菊が好きだから?』
「知ってるよ!そうだとしても普通怒るよ?!好きな花だとしても菊ってそういう時に買うもんでしょ!だからアンタは怒らなきゃいけないの!それなのにアンタはっ…」