恐る恐る中を見てみると、案の定、私のセーラー服とその他もろもろが入っていた。ひとまずは自分のものだと思って安心。
 続いて畳まれたセーラー服に触れてみると、濡れている感じは無い。それどころか――


「乾いてるし……私が寝てた昨日の夜か、朝早くにコインランドリーにでも行ってきたわけ……?」


 思わず口ずさんでしまう。
 雨はいろいろとやってくれていたはずなのに、それでも起きない私って……。
 いや、あれだけ疲れていたんだ。夜に起きられなかったのは仕方ない。とは言うものの、今朝、雨が出かけたのも気づいてなかったみたいだけど。
 セーラー服だけならまだしも、その他もろもろ……これが洗われたのだとするとすごく恥ずかしい。今となっては後の祭りだが。


 本当にここまでしなくても、というか余計なお世話と言いたいくらいだ。だけど、そこは起きなかった自分の鈍感さを恨み、あの子も善意でやってくれたんだと思い込む。


 気を取り直し、時計を見ると既に昼休みは終わっていた。
 結局、あの子は帰ってこない。彼女が約束したことを違えるとは思わないけど、なにかあったんだろうか? なんて気にはなる。まぁ、完全な約束ではなかったかもしれないが。


「玄関までだけなら、セーラー服じゃなくてもいいか」