ずるい。 ずるい。 私はずるい。 「あ、姫架ちゃんだっけ?」 てっちゃん先生が私に話しかけて来る。 “姫架ちゃん” 私のコトを姫架って呼ぶのは限られてる。 私のお母さんとお父さん、おじいちゃん、おばあちゃん。 とにかく家族のみんなと、 あとは皇だけだ。 友達とかは“姫”とか“姫ちゃん”って呼ぶから。 なんかね?? 沙妃が“姫”って呼ぶのに対して皇は“姫架”って呼んでくれて、 ただそれだけのことに舞い上がったのを覚えてる。 特別な気がして、嬉しかったんだ。