「え…いちご、本当に大丈夫?」

心配そうにえまが私の顔を覗く。



って!こうはしていられないわ‼︎

「ちょっと私行ってくるー!!」


「え?いちご??」


「あの子…今日一段と様子おかしかったけど、どうしたんだろ」


「あのニヤニヤ加減は、早瀬くんとの妄想のはずだけど…」


「1週間前に大きく振られたばっかなのに?」


「あ、新しい…恋?とか」

さらとえまの顔が輝く。


「高野くん!頑張りなさいよ!落とすなら今よ今!」


「俺は10年前から頑張ってる」

不機嫌そうに教室を出て行ってしまう高野くん。



「なによ、不機嫌ねえ」


「そりゃあ、10年もあのイケメンがいちご一筋なのに、早瀬くんみたいな人に一目惚れされちゃあ…ね?」


「なるほどね〜、高野くん、苦労なんかするような男じゃないのに…大変ねえ」