「んも〜、ほら!いちごちゃん!」


「んえ?」


「急いで着いて行って!」

手をヒラヒラさせて行ってらっしゃいと見送ってくれるお父さんたちとお母さん。


トーストを口に詰めて、わたしも急いで大きな玄関を出る。


「は、早瀬くん待って!」

その場で足を止めて待ってくれる早瀬くん。


あ、優しい。


「なんでついてくるんだよ」

あ、デビルだ。


「だって…道、わからないし?」

可愛く首をかしげてみる。


「じゃあ"離れて"ついてこい」

は、離れて⁉︎



「え!どうしてよ意地悪‼︎」


「あんたと一緒に住んでるのバレたら面倒なんだよ」


「え?」

面倒…⁇



「お前、"絶対"に言うなよ?」

眉毛をピクピクさせながらそう忠告する早瀬くん。