自分の恋より、他人の恋




時雨さんが寝てる時に2回だけ名前を読んだことがある。


それがこうして現実になろうとは予想もしてなかったから、結構緊張する。




「…っ、と」




呼ぼうと口を開けば緊張からか口が微かに震える。


男の人を呼び捨てだなんて、そんなの人生で初めてだから色々準備がいる。


心の準備とか呼吸の準備とか、だから…ちょっと待ってほしいなんて思うんだけど。


この雰囲気でそれが言えるはずもなく、私はゴクリと唾を飲んで大きく呼吸をした。




「翔和さん」





___そして、初めて起きてる彼に面と向かって名前を呼んだ。