ハヤテと別れて数か月が経った。

私は高校へと進学した。第一希望の高校は落ちてしまい、第二希望の私立高校への進学となった。高校はある意味一種の通過門であり、学校が違うからととくに悲しんだりはしなかったけれど、中学の友達と離れるのはとても寂しかった。

でも、中学ではちょっとはしゃぎすぎて私の事を嫌う人もいたから、高校ではおとなしいキャラで行こうと思った。いわゆる、高校デビューってやつ。

知り合いもいないし絶好のチャンス。こうして意気込んだ四月。おとなしいって何だろうと一日目で考えた。とりあえず寝てみる?休み時間は全部寝た。そのことが失敗だった。

一週間もすると周りに仲良しグループが出来始め、私は一人ぼっちになった。もう寝るのはやめようと思った。そしてクラスの子に自分から話しかける作戦を実行した。

「今日お昼いっしょにたべてもいいかな?」

最初に話しかけてみたのは、席が前のミナちゃん。一瞬驚いた顔してたけど、

「いいよ。ほかの子にも言っとくね。」

と言ってくれた。ほかの子というのは、ミナちゃんの仲良しグループのメンバーたちの事だ。

こうしていった結果、なんとかクラスに馴染めた…どころかクラスの人気者になった。

おとなしい人になるというのは結局一週間であきらめ、中学の時の騒がしいキャラ、つまり素で行こうと思った。

中学の時はそれがうざがられたけれど、高校では評判がよく、明るくて面白い子というイメージになっていた。

時が過ぎ、五月の半ば頃のある日、LHRで先生が

「入学して、一か月が過ぎた。そろそろ席替えでもするか。」

と、くじ引きを持ってきた。先生によって席替えのやり方は異なるだろうが、私のクラスはくじ引き。ランダムに振られた席の番号と自分の番号が同じところが次の自分の席。私の席はというと、

「6番6番…あったあった。」

6番は1番後ろの真ん中の席だった。やった、後ろだ。あとは隣が女子だったらいいんだけど。

こうして席の移動になった。私は新しい自分の席に早く着いた。隣は誰かなとドキドキして待っていると、隣に来たのは,1番隣になりたくない人だった。

「よろしく。」

彼はそう一言私に向かって言った。

「うん。」

ただ私はそう返事するしかなかった。彼の名前は神田くん。クラス1のチャラ男。休み時間になると、廊下でいろんな女子に話しかけているようなそんな人だ。

本当に最悪。それの言葉を言う代わりに、私は1つ大きなため息をついた。