次の日の朝。
昨日変な時間に寝て、変な時間に起きちゃったから、そのまま起きて勉強をした。
いつもと違う環境で勉強をするとなぜか集中できる。
いつも起きる7:00に勉強をやめて、朝ごはんを食べて支度をしていつもより早く家を出た。
ハルノには、宿題を忘れたから先に行くと連絡をしておいた。
もちろん嘘。
でもたまには1人で自分のペースで学校に行くのも悪くは無いと思った。
だから今日はハルノには申し訳ないけど、嘘をつかせてもらった。
いつもより20分くらい早く学校に着くと、運動場で練習しているサッカー部に目が止まった。
いつもギリギリに来ているから朝練をしていることを初めて知った。
ホリタくんはどこかなと探していたけど見当たらない。
「おはよう。」
後ろからいきなり声をかけられた。
「ホリタくん。おはよう。びっくりした。」
ホリタくんだった。
びっくりしたのは本当。
「朝練やってるんだね。朝からお疲れ様。」
私がそう言うと、
「もう少しで試合があるから、それまで毎日朝練あるの。」
と、嫌そうに、でもどこか嬉しそうに言うホリタくん。
本当にサッカーが好きなんだなと心の底から思った。
「練習の邪魔しちゃったね。ごめんね。じゃあね。」
そう言って、校舎の中に入ろうとした時に、
「今日一緒に帰れる?用事があって部活休むんだ。」
とホリタくんは小声で言ってきた。
朝、ハルノ断っちゃったけど、まぁいいか。
「うん。いいよ。じゃあまた帰りね。」
そう言って私たちは別れた。
昇降口に入ると、
「おはよっ。」
後ろからまたもや声をかけられた。
「おはよ。びっくりした。」
これは嘘。
私とホリタくんが話しているのを、木の影に隠れてこっそり聞いていたのを私は気づいてしまった。
邪魔しないようにこっそり。
話し終わったら私と教室まで行こうとして、待っていた。
それを気づいていたけど、ホリタくんとの時間を大切にしたかったから、気付かないふりをしていた。
だから後で追いかけてくるのを何となくわかっていた。
だから、嘘。
「朝からお熱いですね。」
そう、冷やかしてくるハルノ。
「たまたま声掛けられただから。授業中のハルノたちの方がお熱いと思いますけど?」
ニヤニヤして返してあげた。
「まじで?それはやばいよ。どうしよう。」
誰にもバレてはいけない恋愛をしている彼女はとても焦りだした。
お互いの人生がかかっている恋愛って楽しいのかな。
「嘘だよ。むしろ本当に付き合ってるのか不思議なくらい。」
そう私が言うと、本当にほっとしたような顔をして、
「マジでビビったじゃん。」
そう言って、私の肩をバシバシ叩いてきた。
「あと、今日の帰りホリタくんと帰るから、帰れない。ごめんね。」
そう、謝っといた。
「私も今日おばあちゃんの家に行くから方向反対だったの。ちょうど良かったね。」
そうだったんだ。
安心した。
私だったら、友達よりも彼氏を優先にされたらちょっとモヤッとしちゃうからな。
本当にタイミング良かった。
でも、彼氏ではないけど男を優先しようとした私は本当に最低。
そんなことを思いながら、ハルノと教室へ向かっていった。