そう言われて私も身を引きしめた。
「なに?」
真面目な顔のホリタくんもかっこいい。
「あの、こんなこといきなり言ったら困るかもしれないけど…」
「うん。」
冷静を保つフリをする私と、もじもじするホリタくん。
「あの、ずっと気になってて、それで、ぶつかった日から挨拶が出来るようになってそれでだんだん好きになってしまいました。」
理解が遅れている私。
「付き合ってください。」
そう言って頭を下げるホリタくんを見てやっと我に返った。
「少し考えさせてもらってもいい?」
そう返すしかなかった。
「うん。待ってるから。」
そう言ってホリタくんは走って、来た方向へ行ってしまった。
「はぁ。」
私は大きなため息をついた。
嫌だったとかでは無い。
むしろかっこいいなとずっと思っていたし、少し気になっていたから嬉しいと思った。
でも、付き合うとまたハヤテの時みたいに迷惑をかけてしまうかもしれない。
付き合って最後嫌われるくらいなら、付き合わずにいた方がマシだ。
自分が普通の人間だったら、きっとすぐにいいよと返事をしていたと思う。
でも自分は普通じゃないから。
もしかしたら生まれた時から恋人を作ることすら許されていないのかもしれない。
告白を断るのも申し訳ないけれど、こんな人間と付き合わせることの方が申し訳ない気がした。
ハルノに相談してみよう。
そう思って、ハルノに電話をかけてみた。
3回鳴ってハルノの声がした。
「どうした?」
「今時間ある?」
「あるよ。むしろ暇なくらい。会って話す?」
「うん。そうしたい。」
ということで、ハルノがうちに来ることになった。

「お邪魔します。」
そう言ってハルノは早速うちに来た。
「どうしたの?」
早速ハルノは本題に入ろうとしていた。
だから私も入った。
「さっき、ホリタくんに告白されたの。」
「えっまじ??」
とても驚いていた。
「うん。でも返事出来なかった。」
「それは、好きじゃないから?」
「ううん、今までのことがあるから怖くて。」
「そうだよね。ホリタくんに本当のこと言えばいいんじゃない?」
「言ったところで、最初はいいよって言うと思うけどだんだん我慢の限界みたいになりそう。最初の人もそうだったし。」
「たしかにな。付き合って別れる方が、告って振られるより気まずくなって、話せなくなりそうだし。」
「そうなの。でも、気になってたしチャンスを逃すみたいで嫌だし、もしかしたらホリタくんなら大丈夫かもしれないって思ってる自分もいるから。」

そんなこんなで私たちはその後1時間くらい同じようなことを言っていた。
結局いい結論も出ることなく、あとは私の気持ち次第ということで、結論づけて、ハルノは家に帰っていった。