「流行ってるらしいよ。ミニバス男子の間で、お気に入りの女の子を専属マネージャーにするの。」

逃げ切った私はクラスメイトの女子達から驚愕の事実を耳にした。


「なんかうちのミニバスって、愛知どころか東海大会でも優勝してるくらい強いじゃん?だから結構やりたい放題っていうか。調子に乗ってるらしいよ男バス。」
「しかもあの不破君の代になって、キャプテンだし勝つから先生も何も言えずやらせ放題だとか。」

「バカっじゃん!何それ!!自分専属のマネージャーって…、そんなんやる女の子なんて…」

「それがいっぱいいるんだって。」
「はぁあっ!?」
「あんだけ強いと、そりゃバスケやっててもカッコいいし、相当モテるし、むしろ女の子達もなりたいって群がってるくらい。レギュラー選手は、ほぼほぼ専属マネージャーがいるって。」

「何それ!調子乗ってんじゃん!?」
スポーツマンらしくなくてイライラするも、
「いいじゃん!らら!あのバスケ部のエースの不破からのマネージャー指名なんて自慢ものだよ!!」

「うんうん!性格ジャイアンだけど、黙ってればカッコいいしね!」
「じゃ、あんたらなれば?」

「「私達には無理。」」←即答
「そうそう、怖くて口も聞けないもんー!ららくらいだよ!あの不破君にあんな対等に口聞けるの!」

「ちょっと・・・対等?!やめてよ。聞き捨てならない!私はあんな奴と同じ土俵にもいないんだから!!」
「しかもマネージャーになったらバスケの見学オッケーなんだよ!いいなぁー!!私も湊君の専属マネージャーになりたぁぁいっ!」
「分かるぅー!年下だけどカッコいいよねぇ!優しいし!!」

「湊って誰だし。あの・・あんたら話聞いてる・・??」