「去年は二点差で負けて悔しい思いしたからなぁ…」
試合が始まると山崎先生も苦い顔をする程、初戦では当たりたくはないチームだったようだ。

187cmの白の巨人と呼ばれるアメリカ育ちのマイクは、弟も180cmあり、今大会一番の高さを誇る。
ほとんどの試合でトリプルダブルを達成する程の大会最高峰選手だった。

ーーバッシュ!!
マイクが湊の頭上から余裕で圧巻のダンクを決める…
「まるでゴールが子供のおもちゃみたい…」
ミニバスのゴールの高さでは、もうお遊びにしか思えない程だった。

高さでも、早さでも敵わない…。
不破と湊が苦戦している姿、初めて見た。

アイツがパワーで敵わないなんて…。全国だから上には上がいるって分かってるけど、身長がこんなにも有利なスポーツだってまざまざと見せつけられる。

確かに…、マイクは、上手い…。
味方のシュートが外れても淡々とリバウンドを取って軽やかにしなやかに不破を交わしてフックシュートを放つ。
あの高さで打たれたら、ファウルでしか止められない…。


「まずい、不破ファウル3つ目だ。」
マイクからファウルを取ってしまい、山崎先生もたまらずタイムアウトを取った。

ベンチに戻ってきた湊と不破に飲み物を手渡すと、

バシャッ…!!
振り払われて自分に思いっきりかかってしまった。