素直にさせないで





全国からの各都道府県大会を勝ち抜いたミニバス代表2チームが今大会会場の名古屋アリーナに集結するニューイヤーカップだ。

わずか数日でのトーナメントの為、広いアリーナとはいえ、父兄達の応援などでごった返し、賑わいを見せていた。


「一回戦は、東京だ…。悪い・・・俺がくじ運悪いばかりに・・。」
シクシクと泣きながら肩を落とす山崎先生に、
「まぁ、これに勝てたら決勝進出間違いしってことで。」
肩の力を抜いて一番リラックスして強気な姿勢でストレッチするのは、湊だった。

さすが全国常連チームのエースとして余裕もあり、落ち着いていて、またそれがチームのみんなに安心をもたらしている。

ミニバスの全国大会、愛知、東海では右に出るものはいないが、東京、福岡、秋田あたりの強豪チームにいつも準決勝で敗れてしまい、初の全国優勝を目指したいところだが…、

「今日は優勝間違いなしだぜ!!!なんつってもこの俺様にはこの最強のお守りが…」
ドラえもんの四次元ポッケのようにお腹から不破がお守りを出してチームメイトに見せびらかしてると、


「あれ、それ俺も持ってるぜ。」

背後から170cm台の不破と湊さえすっぽりと覆い被さるほどのビックシルエットで現れた聞き覚えのある一人の男がでやってきた。