「試合…。もしかしてバスケですか?」
「OH!よく分かったね。遠征で関東からこっちに来てるんだ。」
「その背の高さだったら、まあバスケかバレーかなって。」
「ははっ!だよね。」
落ち着いた喋り方だけど、朗らかで。
ハーフなだけあってレディーファーストが身に付いてるからか、相手のテンポにしっかり合わせてくれる。
その空気感が…
癒される。
「・・・。」
隣の瑠菜は目がハートの私の脳内のメカニズムを読み呆れた視線を送っていた。
「じゃさ、お互い凶同士ってことで、俺のこのおみくじ君が結んでくれる?」
「えっ私が!?」
「うん。二人で凶なんか追っ払おうよ。」
「あははっ、確かにご利益ありそう!」
なんて運命的…。
私が彼のを結んであげると、彼は嬉しそうに写メまで撮っていた。
「この辺で美味しいお店ある?」
「何系?」
「肉系。ネットだと色々出てくるけど、あんまりピンっと来るものなくて。現地の人なら本当に美味しいとこ知ってるかなと思ってさ。」
「ああ、それならこの近くに…」
「案内、してくれたら嬉しいな。」
にこっと笑う優しさ滲み出る彼に私は一瞬驚くものの、断る理由などなかった。


