「100歩譲って湊はいいとして、受験失敗って…私にとって受験は不破と離れられる唯一の希望の光だったのに…」
「大丈夫だって!らら。模擬試験も塾でもトップじゃん。あれで落ちる方が逆に凄いよ。」
そこはまるで心配ないと言ってくれるが、さすがにおみくじ凶の破壊力は凄まじいものがある。
「よっ。」
気を取り直しておみくじをせめて一番高い結び木に背伸びしてくくりつけてると、
「んっ!と…あれ」
手を伸ばすも中々届かず結びつけられずにいた時、
「Are you all right?ここでいい?」
私の手からおみくじを大きな手でひょいっと取り上げて、結びつけてくれた。
「あ…ありがとうござ…」
私は顔をあげると、そこには普段不破や湊を見上げるよりもずっと高い目線を必要とする男の子だった。
「どういたしまして。」
外人さんかと思ったら、あれ。ハーフかな。
190cm近くはありそう…
すっと高く綺麗に通った鼻筋に、ブルーの瞳。
ジェントルマンに微笑む少したれ目で、産毛もゴールドな真っ白に透き通るような肌。
「凶だったの?」
ちょうど結び目から見えたのか、そう聞かれると
「はい・・未来に絶望視しているところです。」
「実は俺も。」
「凶だったんですか?」
「うん。明日試合なのに縁起悪いよ。」


