「凶・・・・。」


何度も我が目を疑った。
人生のおみくじで凶などひいたことがなく免疫がないからだ。

「だ・大丈夫・・?」
瑠菜も気の毒そうに私を見て、覗き込む。

○願望 叶わず志を低く持て
○待ち人 来らず 頼りなし
○学問 伸びず焦るな
○争い事 勝ちがたし控えよ

○恋愛 成就しがたい
○縁談 周囲の強い反対あり破るる


「なっ・・・なにひとついいことがない・・・」

おみくじを手に持つ手はガタガタと震え、顔面蒼白の私は復唱した。
「学問…伸びず焦るな…恋愛…成就しがたい…縁談周囲の強い反対あり…」

「受験失敗、周囲不破の強い反対により湊に振られる。ってことかな。」
まるで他人事のように淡々と読む瑠菜に、
「なんでそんな意地悪言うの!!!」
「嘘、嘘、あはははっ冗談。ただのおみくじじゃない。結んで忘れよ。」
ただからかっただけらしいが、私にとっては死活問題だ…