パンパン!!
私は呪文のように深く祈っていると、隣の瑠菜の二拍手に気付き、現実に引き戻された。
「湊君の恋人になれますように!」
「え?」
ぽかんとした私の返しに瑠菜は、
「あれ、違うの??ららのお願い事。」
目をぱちくりさせている。
「はっ!全然現世に関係のないお参りをしてしまってた・・・」
そうだ。
今日は、元旦年明け。
瑠菜と一緒に近所の神社にお参りに来ていたのだ。
「険しい顔して熱心に神にすがるようにお祈りしてるからてっかり受験か、湊のことかと思ったのに、まさか不破君のことをそんなに熱心に祈ってるとは。」
「違う!!もうアイツには振り回されたくもないし、関わりたくもないの!」
「ふうん。」
「あー…。なんなら縁切り神社にでも行けばよかった・・・。」
新年早々なにやってんだ。
思わずガックリと肩を落とす私を見た瑠菜は、屋台で買った綿菓子を頬張りながら
「でもまあ、もうあと2ヶ月じゃん?卒業まで。」
「え。」
「そんなに熱心に祈らなくても、ららは名古屋女子大に行くんだから、もう必然的に不破君と会うこともないよ。」
「そっか…!そうだよね!!」
「そそ、あっ、ねぇおみくじひこうよ!!」