記憶の奥の怪異

低く、凛とした声で聞かれる。

それはまるで、威嚇のようにも聞こえた。

「..........そうです」

「................宮下桃.......人間です....」

沈黙と共に、波しぶきの音が流れる。

「.......お前はなぜ丑三つ宴にいた?」

「..........え?」

(何で丑三つ宴にいたかって言われたら.......)

私を見ないためなのか、お面を被ったその男性は街並みを見ながら話す。

「本来、この丑三つ宴は京の都全域に生息している怪異の宴....」

「入口はたった一つ」

「.......この船、崎ノ原学園の校舎だけだ」

「何故、怪異でもないお前がいてた?」

(.......絶対ここで『その丑三つ宴が見たかったからです!!』とか言ったら殺される気がするんですけど..)