記憶の奥の怪異

「大丈夫か桂?」

「そこの人も大丈夫ですか?」

曲がり角から出てきた数人の内三人が眼鏡の人の介抱をしていて、残りの人が私の周りに来る。

「吐瀉物かけられてませんか?大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です。それよりもあの人は....」

眼鏡の人を見る。

「あぁ、安心してください。あの人は無理矢理呑まされたお酒で潰れただけです」

「....そうなんですか?」

(さ、災難だな....あの人)

哀れみの目で眼鏡の人を見る。