記憶の奥の怪異

それから俺は面を被った。

この宴の時以外、面を被り続ける。

それが俺の.......罰なのだから。


「それにしても、最近暇ですねぇ〜....」

饅頭やら羊羹やら食ってる総司がボソッと呟いた。

「暇ということは、怪異による生徒たちへの襲いが無くなったということだ。良いことなんだぞ?総司」

総司に分けてもらった饅頭を食べながら近藤さんが言う。

「そうですけど.......暇なんですよ」

「土方さん達が一緒にお茶とかしてくれないから」

「そこかよ」

「だって本当に暇なんですよ!?ずっと茶室に篭もりっぱなしですることないし.......お昼になったら生徒が来て部活するから廊下で座ったままだし....」

「ああ!だからあの時総司は茶室の前の廊下に座ってたのか」

近藤さんがなるほど、と手を打つ。

「廊下に座ってたら近藤さんが来ると思って待ってても来ないですし....!」

「まあ俺の領域は学園内全域の廊下だからな〜、どこの廊下に行くとかは俺の気分だし」

「僕の近くにいてる九怪談は近藤さんだけですよ!?近い場所で桂ですし....」