「凛上、部活やめたの?」 同じ長距離走の選手の花巻に聞かれた。あのときなんて答えたっけ。 俺が陸上部をやめたという噂は瞬く間に学年中に広がった。 俺を見る目は痛いぐらい優しかった。お前は頑張りすぎだよ、と誰かに言われた。俺は「なんでだよ」と笑い飛ばした。 マジで言ってる? 頑張りすぎたら報われなくなるの? じゃあなんのために頑張ってたの? 誰かに慰められては笑い飛ばした。 なんで慰めて傷を抉るようなことをするんだろうな、って。 俺の中でずっと、なにか黒い感情が渦巻いていた。