凛上は男だから女子トイレにはまず入らない。シオンももう自分のことでいっぱいいっぱいだろう? 誰も私のことを助ける余裕もないし、もう助けてと伝えることも出来ないんだから、終わっている。 いつからか溢れ出した涙が止まらなかった。 残り五分を切った。その時。 「よかった! 掃除もうしてない」 そんな声と共に、ガチャ、と扉が開く音がした。 すぐに悲鳴がして、恐らく鬼の存在に気づいたのだろうと思う。それでも私は、なんとか……勝ったんだと。