「ごめんね、うまく、話せ、なくて」


こんなに長く話したのは、何年ぶりかな。


はじめてかもしれない。


「いや、すいません、思い出させて」


「ううん。聞いて、くれて、ありがとう」


上原くんは、私の話がどれだけ詰まっても、真剣に聞いてくれた。


上原くんは、どう思ったのかな。


そんなこと引きずってるのか、って思ったかな。


話さない私が悪いって、思ったかな。


「俺なら、そんなことしない」


「え?」


「あっ……」


どういう意味?


「は、花火、教えてもらった穴場、行きませんか?」


頷いた。


2人で花火を観れるのは、嬉しい。


でも、はぐらかされた……。


少し歩くと、神社の境内までの階段に着いた。


人がいなくて、高さがあるから花火も見やすそう。