「あ、1人っすか?」


4人でお弁当を食べるようになってから1週間。


バスケ部のミーティングがあるから1人でお弁当を食べてるところに上原くんも1人でやってきた。


「桜玖、委員会らしいっす」


私が頷くと聞く前に杉本くんのことを教えてくれる。


彼は、私のお向かいのベンチに座ってお弁当を広げる。


隣に来ないのは、たぶん彼なりの気づかいだと思う。


お互いに無言でお弁当を食べ進める。


ありえないほど静かな時間なのに、気まずさもつまらなさもない。


むしろ、安心できる。


そんな時間を壊したのは、甲高い声。


「蓮くーん!」


中庭に入ってきたのは、この前絡んできた男の人と同じ色のリボンをした女の人。


明るい髪色、濃いめのメイク。


そして、上原くんの腕に自分の腕を絡ませる大胆さ。