「忙しかったのに、無理に誘ってごめんな。」
店の外へ出ると今回もすでにタクシーが待っていた。

そして

「ひどくならないように、気を付けて。」
と私をタクシーに乗せて、彼は私の首に再び返したばかりのマフラーを巻く。

「あったかくしてな。お休み。」
そう言ってタクシーの扉を閉める。


今回も・・・

振り返りながら窓の外を見ると、彼は私から見えなくなるまで手を振ってその場から離れなかった。