そんなことを言いながらカフェのドアを開ける。カフェには数人の人がいたものの、圭介をすぐに見つけることができた。黒いスーツに黄色のネクタイを締め、蘭と星夜を見て少し照れ臭そうに微笑んでいる。

「お久しぶりです」

そう言い頭を下げる蘭に対し、圭介も「こちらこそ、お久しぶりです。わざわざ来ていただいて、ありがとうございます」と軽く頭を下げる。

三人はコーヒーを注文し、近状報告などをした後、本題に入ることにした。圭介が「実は……」と暗い表情で語り出す。

「俺、地方出身なんです。実家は山奥にある村の中にあって、探偵になるまでずっとその村で生活してました。こっちに来てからは、その村に住んでいる友達が村の様子を教えてくれているんですけど、最近「助けてほしい」とLINEが来て……」

圭介はLINEの画面を見せる。そこには、「助けてほしい。監視されているから村で起きていることは話せない。このトークルームはすぐ消去する。村に来てほしい。事件が起きている」と書かれていた。