「ご心配をおかけして、大変申し訳ありません」

心配する星夜とゼルダに少し微笑み、蘭は自分のデスクへと向かう。その時、蘭のスマホが振動し、誰かからメッセージが送られてきたことを教えた。

「深森さん……」

メッセージを送ってきたのは、深森圭介（ふかもりけいすけ）だった。探偵として活躍している彼は、一年前にここに研修に来ていた。懐かしい名前だ。

『ご相談したいことがあります。お時間がよろしかったら、夕方にお会いできませんか？』

今日は解剖の依頼は入っていない。蘭は星夜にメッセージが送られてきたことを伝えた後、星夜と二人で話を聞きに行くと返信した。



仕事を終えた夕方、蘭は星夜と二人で圭介から指定されたカフェへと向かう。指定されたカフェは知る人ぞ知るカフェのようで、どこかレトロな雰囲気があった。

「深森さんかぁ〜……。僕は会ったのアメリカで助けてもらった時以来かもしれないな」

「私も、何度かLINEでやり取りはしたことはありますが、直接お会いするのは久々です」