「星夜さんは、性行為がしたいと思っていらっしゃるのではないですか?それならば私はーーー」

「ダメダメダメダメ!!」

いくらでもこの体を差し出します、と言おうとした蘭を星夜は抱き締める。碧子は顔を真っ赤にしながら震えていた。

「蘭、体を大事にするんだ。僕は、君の体や容姿が目当てで交際しているんじゃない。そういうことを気安く言っちゃダメだよ」

「はい」

しばらく抱き締められた後、蘭と星夜は碧子の作った朝食を食べるため、着替えることになった。

蘭は白いシャツに袖を通し、緑のプリーツパンツを履く。そして、ドレッサーに置かれた小さな箱を開ける。その中には星夜からもらったエメラルドのブローチがあった。そのブローチを胸元につけ、蘭の支度は終わりだ。

「蘭、行こうか」

ドアを開けると、紺のシャツに白いパンツに着替えた星夜が待っていてくれた。蘭は慌てて頭を下げる。

「待たせてしまい、申し訳ありません」