それから二週間ほど経った。蘭は星夜と圭介と共に電車に揺られている。都会だった景色はだんだんと緑が多くなってくる。

「深森さんの村はどのような雰囲気なんですか?」

蘭が質問すると、圭介は「すごくいい村ですよ!」と言い、写真を見せながら話をしてくれた。

「なんか、村人全員が家族って感じの村で、とっても親切なんです!台風が来るとか大雪が降るってなったら、近所に住んでるおじいちゃんとかを泊めてあげたりもしてましたし、学校の行事に村の人が参加したりもして本当に楽しい村なんです!」

写真には楽しげな村人や幼い頃の圭介が写っている。星夜はその写真を見て「いいなぁ〜」と呟く。

「こんな温かい村、住んでみたいなぁ〜」

羨ましげに言う星夜に対し、圭介は「きっと村を気に入りますよ!」と笑う。

その後、電車を時々乗り換え、景色を楽しみながら駅弁を食べ、話をしつつ何時間もかけて村のある駅へと到着した。