Sourire✧

そこは、生徒会室の前。

ーコンコン

「奏くん、入るよ〜。」

「はい。」

ーガチャ

扉を開けた瞬間、何かの甘い匂いがフワッとこっちにおそった。

「桜乃さんもそんな所に居ないで、こっちにおいで。」

予想と違った生徒会室のふわふわした感じが、私を戸惑わせた。

会長の机みたいなのがボンと置いてあって、その前にテーブルといす。

その左側に、生徒会が話し合うようみたいな感じがする。

校長先生の前にちょこんと座る。

「でね、話というのは、桜乃さんにも何かの生徒会役員をやって
もらおうと思っていてね。」

「でも、先生…、条件があるのでは?」

いきなり、会長でもあって人気モデルでもある奏さんが小声で、

校長先生に話しかけ始める。

何を話しているのかは全く聞こえなくて。

でも、奏さんが私を嫌がっているんじゃないかって不安になってくる。

「奏くん、その事なら大丈夫。」

「桜乃さんもある事情があって、学校を休む日が多くなるんだ。」

「そうだったんですか。」

納得した顔を奏さんが見せるが、私には分からない。

「桜乃さんは、企画担当でどうかな?」

「僕もあのアンケートを見て賛成です。」

「あ、あのアンケート…って?」

「合格だと決まった後に、意見とか思考とかのアンケートの奴」

「あ〜」

書いたような書いてないような、曖昧な記憶力。

シェアハウスに行く準備とかで全然覚えてない。

「あの、企画って考えるだけですか?それとも、考えて行動する感じ
ですか?」

「それは、桜乃さんに任せるよ。」

「うーん…」

「なら、やらせていただきます。」