Sourire✧

ーキーンコーンカーンコーン

「やば!瑠海、急いで戻ろ!」

「うん…」

全力疾走で教室に向かう。

私と夏音は1組だからそこまで、遠いわけでもないけど。

授業中、ペラペラとページをめくって授業が終わっちゃったような

気がする。副教科の勉強手順みたいな感じだったから。

「今日、忘れてないよな?」

帰りの会でそう言われて、何が?と私は、はてなをうかべた。

「「部活体験〜!」 」

忘れてた。でも、別に入るつもりもないし。

「じゃ、皆忘れないように。」

うーん、入るわけでもないのに体験行くのは失礼だよね…

迷ってしまい、歩き回る。

「瑠海は、一応部活体験行くの?」

「うーん…」

「瑠海、とりま歩こう。」

夏音に手を少し引っ張られ、廊下を歩き出す。

中庭にある桜の木が窓の枠で絵みたいになっている。

「私さ、いってみたい部活あるんだけど行っていい?」

「いいよ。」

1人になり、とぼとぼと廊下を歩く。

「桜乃さん!」

へ?誰かに呼ばれ周りをキョロキョロする。

「桜乃さん!ちょっと話あるんだけどいいかい?」

後ろを振り返ると、校長先生が居て。

「え、はい。」

何だろう?

「ちょっと、移動するからついてきてくれるかい?」

「あ、はい。」

校長先生相手だから少し緊張して、反応が遅れる。

先生についていくと、いきなりピタリと止まった。