Sourire✧

控え室でメイクと着替えが終わり、スタジオに行く。

「瑠海ちゃん、ちょっとついてきて。」

清水さんに手招きされ、後ろをついて行く。

「今日、一緒の時間帯のスタジオを使う、奏くんと響くん。」

「初めまして、柊 奏(ひいらぎ かなで)です。」

「初めまして、藤堂 響(とうどう ひびき)です。」

響さんは、営業スマイルのようなニコっていう笑顔をみせる。

「えっと…、初めまして、海桜 瑠海(うみざくら るあ)です。」

2人と話すことに緊張して、言葉をかみそうになる。

海桜ていう苗字は、私の芸名。

海と桜が好きで、幼なじみの……がつけてくれた。

「それじゃ、奏くんと響くんやるよ〜。」

撮影に入ると、全く雰囲気が違くて。

この2人の演技力に圧倒される。

ーパシャ、パシャ、パシャ

「次、瑠海ちゃん。」

「桜が舞うのをイメージして。」

桜の花びらを舞うのを見ると、目がキラキラして私の心が踊る。

想像するほど、気持ちも上がってゆく。

ーパシャ、パシャ、パシャ、パシャ

「最後に、3人で。」

3人とは?

私と奏さんと響さん?

そう思うと、いっきにカチンこチンに固まってしまう。

だけど、2人の雰囲気に私も頑張らないと。と、思わされる。

2人との撮影は、私の想像をより深くしていく。

今にも、2人に吸い込まれていきそう。

ーパシャ、パシャ、パシャ

「はい、OK」